
もし、このサイトをご覧の方で、田舎で農業に挑戦したいという方は、まずどんな作物で就農するかというのが最初の課題だと思います。
米、施設野菜、露地野菜、果樹、花き…。米は反収が少ないので、ある程度の面積が必要です。しかし最初から広い農地を借りる事はなかなか難しいのではないでしょうか。
ビニールハウスなどの施設野菜は収益は安定しますが、最初にかかる経費がかなりかかりますので、リスクが高いです。
一番、新規就農者が始めやすいのが露地野菜の栽培ですが、一年を通しての労働時間はかなり多く、体力に自信がないと厳しい…のは否めません。
その点、果樹は桃栗三年柿八年なんて言う通り、収穫するまでに月日はかかりますが、成木になれば、毎年、圃場の準備、苗の準備、定植、圃場の片付けが無いぶん露地野菜と比べてかなり作業時間が減ります。それに果樹は、観光農園、加工品などの六次産業化の可能性があります。
ブルーベリーの栽培ってどうなの?
10aあたり
出荷量 | 700㎏ |
販売単価 | 1.020円 (成果60%1.200円 加工40%750円) |
粗収入 | 714.000円 |
ネックとなるのは?
☞出荷調整作業
ブルーベリーは実が細かくて収穫が大変です。そして、その後の選別、出荷作業にかなり時間がとられます。しかし、観光農園として営農すれば、作業時間の短縮が可能になりますね。
☞防鳥ネットの設置
初期費用としてかかる大きな出費が防鳥ネットの設置です。
鳥がつまみに来ちゃいますので、圃場全体をネットで囲わなければなりません。
しかし、今は簡易防鳥ネットなんてのもありまし、防鳥ネットは1年目から設置しなくとも、収穫ができるくらい樹が大きくなってからの設置でも遅くはないのかもしれません。
☞苗をどうするか
苗の購入に関しては、一年でも早く収穫したいのであれば二年生の苗を購入し植え付け後、2年も立てばある程度収穫できますが、なにしろ一反に200、300本植えるとなるとかなりの資金が必要になってしまいます。そこで、ブルーベリー農家さんにお願いして、剪定で切った枝を譲っていただいて挿し木をして増やすことです。
少し手間がかかりますが、初期投資を抑えるには必要なことかもしれません。挿し木に関して詳しい説明は省きますが、要するにセルトレイやポットに土(ピートモス、鹿沼土)を入れて穂木を土に差し根を出させるわけです。夏場の水やりを欠かさないようにしなければなりません。
☞土壌改良
ブルーベリーは酸性土壌を好みます。アルカリ性土壌ですと生育が悪いので土壌改良をしなければなりません。とは言っても、そんなに大掛かりな大工事をするというわけではなく、植え付け時にピートモスを入れてph調整するだけです(そんなに大変ではありません)他にチップなども入れると良いでしょう。
ブルーベリーは実が細かい分、軽いので女性に向いている栽培作物だと思います。ブルーベリーで反収200万は得たいと考えるのであれば、ハイブッシュ系、ラビットアイ系のどちらとも栽培する(収穫期間を延ばす)そして最低50aの圃場面積が必要ではないでしょうか。
上記に反収200万円云々書きましたが、私個人の見解はブルーベリーで生計をたてるより、10a、20aの少ない面積で栽培し、あくまでも副業としてブルーベリーを栽培することでもいいのでは?と思います。
デュアルライフにどうなの?
月別労働時間
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 |
15.0 | 24.0 | 10.0 | 18.0 | 6.5 | 98.0 | 166.0 | 77.0 | 4.0 | 3.5 | 0.5 | 0.5 |
いかがでしょうか。とにかく6~8月は収穫時期なので、労働時間は多いですが、9月になるとピタリと暇になります。
これなら夏場は地方でブルーベリー作業、秋から冬にかけては都心で生活というのも、あながち非現実な話でもありませんね。
秋冬の作業としては、剪定作業や施肥、防鳥ネットの手入れなどです