ゲストハウス経営。こんな時期にこんな記事を書くのはためらいますが、地方で起業したいという場合わりと多くの方が一度は考えるビジネスなのではないでしょうか。
観光地で宿泊業。確かに前のめりになる話です。しかし、宿泊施設って旅館やホテルなんてめちゃくちゃあるんじゃないの?そうですよね。
観光地としても有名な長野県で見てみましょう。
簡易宿泊所 | 旅館 | ホテル |
3.317 | 2.525 | 514 |
ウーン。長野県は、スキー場や合宿所が多いことから、簡易宿泊所が極めて多いです。ロッジやペンションなどが多いということでしょうか。ライバル多しですね…。
客室稼働率はどうでしょう。
旅館 | リゾートホテル | ビジネスホテル | シティホテル | 簡易宿泊所 |
53.3% | 8.2% | 3.5% | 0.2% | 28.8% |
客室稼働率に関しては、簡易宿泊所の28.8%というのは他府県の数字よりは高めではないでしょうか。ホテルの稼働率の低さに驚きました。逆に旅館の53.3%というのは全国的にも高い数字です。これだけライバルもいて、稼働率が30%弱か~。ゲストハウス経営は難しいかぁ…。いや、まだ諦めずにもうちょっとあがいてみましょう。
これからのゲストハウス経営
ビジネスをするうえで、SNSの普及もあってアウトプット(情報発信)が必要と言われますが、その前にインプットも重要です。どんな客層があるのか、どんな需要が求められているのかリサーチ、情報を得ることです。
外国人客
ゲストハウスにはどんなお客さん達が来るのか…というのも考えなくてはいけませんね。年配の方々か若年層か、日本人か外国人か、スキー客か、団体客か単身・カップルか…など。
外国人なら、どこの国の方が多いのかなども調べておくのも必要です。また長野県で見てみましょうか。

おー、台湾の人がこんなに長野県に来てるんですね!ヨシ、台湾の方にたくさん来てもらうようにがんばるぞー!
いや、ちょっと待ってください。いくら台湾の人が多くても、台湾の人がみなさんゲストハウスに泊まるような単体のお客さんかと言われれば、ん~?と思います。もちろん、単体のお客さんも多くおられるのでしょうが、もし団体客として多いのなら…ちょっと話が変わってきちゃいます。
先入観を持つことも、よくありません。
例えば外国人客が多いと分かって、「彼らは、日本的な【和】を基調とした部屋が喜ぶだろう」なんて思いがちですが、もしかしてそれは日本人の勝手な思い込みかもしれません。
彼らは畳で寝るより、やはりベッドでゆっくり寝たいと思うかもしれませんよね。
非日常性なのか居心地の良さなのか…。彼らが宿泊施設に何を求めているのか?ということも考える必要があるかもしれませんね。
マイクロツーリズム
上記では、外国人客を例に出しましたが、如何せんこんな世の中です。いつ外国人旅行者が戻ってくるのか見当もつきません。
ならゲストハウス経営はオワコンなのか?
私はそうは思いません。外国からのお客さんが戻ってくるのは先の話でも、国内のお客さんはゆっくりと戻ってくるのではないでしょうか。
最近、星野リゾートさんの提唱でマイクロツーリズムが見直されてきました。車で行ける距離の旅行。自宅から近い場所を楽しむ旅行。
となると地元のタウン誌などローカルへの発信も大切になってきますね。
新しい取り組み
新しい取り組みって何?そうですよね。
言えるのはこれから時代がどう変わっていくのか、どんな社会構造になっていくのか…アンテナを張って、時代に応じた新しいサービスを提供するのも必要かもしれません。例えば
☞ノマドワーカー、リモートワークなどへの新しいサービス
☞長期滞在者への新しいサービス
例えば、空いている客室を長期滞在者に月額でお安めに滞在していただくなんていかがでしょう。
もちろん東京などの都市部では、そういったサービスが始まっていますが、地方ではまだまだ少ないのが現状です。
ニッチな層の取り込み
ニッチな層の取り込みとは、例えばサイクリストなどに特化したサービス。昨今は健康志向という風潮もあってロードバイクやeバイクの人気が非常に高まっています。
そういったお客さんに対してさまざまなロードバイクやeバイクに試乗できるサービスなんて面白いと思うんですが…(私がいきたい)
グランピング
グランピングというのは流行りでもありますが、そこにアースバッグハウスを取り入れるなんて面白いかもしれません。
不便さを提供するサービス
不便利さを楽しむというのは、デジタルな社会となってすべてが便利になりました。しかし、たまには蒔を割って、ドラム缶風呂を沸かしては入りたい〜なんて思う時ありません?カマドでご飯炊いてみたいって思いません?薪ストーブの薪割りしたいなんて思いません?(私だけ?)
そんな、あえて不便な経験をしてもらうサービスなんていかがでしょう。

ローカル産業と宿泊業の新結合
ローカル産業と宿泊業の新結合とは、地元の産業に都心部から体験的に働きにきてもらい、長期間ゲストハウスに宿泊してもらうということです。
対象は都心部の大学生や求職者、移住希望者などです。
地元に根付いた仕事をすることで、都会から来た人間も収入が得られますし、受け入れる地域も移住者や後継者が増えるかもしれません。
例えば、地元の漁協などと連携し、仮の漁業権を有料で発行してアワビやサザエを採らせてあげる。採った海産物を出荷させ収益を出してもらう…。
まぁ地域を巻き込んで…という話なので荒唐無稽な話かもしれませんが、私が学生なら絶対、行きます!旅しながら漁で稼げるなんて….。
なんて思いついたことを書きましたが、まだまだゲストハウス経営は苦しい時期が続くだろうと思います。しかし、さまざまな人と出会える素敵なビジネスである事は間違いありません。
地方に移住してゲストハウス経営。いかがでしょうか。