お金になる山で採れるモノ

山でお金になるものなんてある?って都会で暮らす人は、お思いでしょうが、実はあるんです。山菜?キノコ?分かった苔だ!いえいえ、もちろんそれらもお金になりますが、それ以外にもあるんです。

常緑樹で、関東以南の山中によく見られ、日陰を好み植林された杉や檜などの樹間に生えています。古くから神事に用いられる植物として有名ですね。

他のビシャコやシキミと比べると、単価が一番いいです。

地域によって呼び方は変わりますが、私の地元ではビシャと呼びます。正式にはヒサカキと言うのでしょうか。ヒサカキというだけあって、サカキが採れない地域でのサカキの代用品的な扱いから文化が根付いたのかも知れません。葉のふちがギザギザなのが特徴的です。

サカキやシキミと比べると、どんな山にも生えています。

これから山採りをされる方はビシャコから始めるのがオススメです。

シキミも、日本では古くから仏事に用いられてきた植物です。温暖な地域の山間部で、サカキと違い陽当りのいい場所に生えている印象です。葉が枝の先端に集まってついているのが、特徴的です。

シキミ

何故、山採りが減ったのか

昔から山間地では、サカキ、ビシャコ、シキミを山採りしてお金にする方がおられましたが、最近ではそういう方もめっきり少なくなりました。

①中国産のサカキが大量に輸入されるようになった

当然、価格も安いので国産のサカキが追いやられる傾向になりました。

なら、国産のサカキが全くダメなのかと言ったら、そういうわけではありません。やはり輸入品のサカキは採って時間がたっており、日持ちも悪く、葉が落ちるのも早いと言われているので、国産でないとダメだと言う一定数の方々がおられます。

神様や仏様にお供えするのに、輸入のサカキなど…という方もおられます。

②仕事の多様化

昔は、今のように仕事が数多くあった訳ではありませんでしたから、背負子を背負い山に入り、山中を探し回り…なんて重労働でも、仕事としてされていた方もたくさんおられました。しかし、今は街に出ればいろいろなお仕事がありますので、わざわざそのような仕事をする必要がない。というのが大きいでしょう。

この仕事は、確かに重労働です。まず、車で行ける限界がありますから、車を林道に停めて徒歩で1時間、1時間半、山を登ります。これが結構キツイです。

採れる場所に着いても、枝を切る作業はなんてことないですが、今度は採った大量の枝を背負子に背負い山を下りなければなりません。

しかし、山に入ると聞こえるのは鳥のさえずりだけ、山が好きな方にはとっておきの仕事ですね。

③高齢化と後継者不足

体力を使う仕事なので、確かに高齢になるとキツイですが、それでも高齢の方で細々とやってらしゃる方もまだおられます。

今の若い世代の方々(60代以下)が、そういった仕事があるということ自体、周知されていない事も、山採りをする人材が減った原因かもしれません。

どうやってお金にする?

出荷先によりますが、山で採った時、その時点で30本とか40本でまとめて紐で縛っておきます。その紐はホームセンターなんかで売っているビニール製の紐で十分です。

その日に出荷できればそのまま持っていけばいいですが、無理なら大きな樽(バケツ)に水を入れて、その中に枝の束を入れて保存しておきましょう。

出荷先は?

生花店が買い取ってくれますが、小さな生花店ですと、引き取ってくれる量も限界がありますので注意しましょう。

引き取ってくれる生花店を見つけられなければ、県に一つは花市場がありますので、そちらに持っていけばセリにかけてもらえます。こちらは大量でも引き取っていただけますが、当然、生花店に直で卸すより、貰える金額は安くなります。

これからの可能性

後継者不足ということで、そういった仕事をする人は貴重な存在になれますし、大事な文化を守るという側面もあります。

そして、生花店で信用されるようになりますと、「あせび持ってきてよ」「ススキ刈ってきてよ」なんてリクエストされる事もありますから、いろいろと仕事の幅が広がる可能性がありますね。

注意事項

山で枝一本でも勝手に採取することはイケナイ事ですので、必ず山の持ち主や山林組合の許可を得てからにしましょう。(本業にされる方は、一年でいくら利用料を払うという契約をされているようです)

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